「あの苦しんだ日々が、遠い昔のようだなぁ」
僕は、会社から帰り道、ふと、あの苦しかった術後を思い出していた。
もう遠い過去のような気もするが、それはわずか３週間前の事だった。
今の僕は、肛門キュッもなく、ほんの少しの痛みを時折り感じるくらいで、日常の生活では手術をしたことさえ、忘れてるくらいだ。
肛門パットも、まだ毎日2回は取り替えて付けている。しかし、汚れもかなり減っていて改善はかなりしてる。
薬は今はマグネシウムを減らして、朝晩の二錠にした。それに伴い大便は硬さを取り戻して、良い感じになってきた。 多少まだ便は細い感じもあるが、これくらいなら問題ないだろう。
今日からは一錠に減らそうと思う。
最後の問題は肛門辺りにイボのようなものがある事だ。これは自然に取れるのでは？と期待していたが、もう手術から３週間だ、今更もう無理か？ 実害はないのだが、なんとなく邪魔なものは取りたい感じがする。
春の訪れとともに、僕の健康も回復しつつあるようだ。
「やっぱ何かいるなぁ イボのようなひだのような皮膚のでっぱりのような？」
以前はいなかった謎の物体が、肛門の横にいる。触ればきになるが、触らなければ存在があることすら忘れてしまう。
まだチクっと術部に痛みがたまにあるが、その位置と一致している感じもある、これ取れるのか？ しかしすでに１７日目だ。
取れるとしたら、もう取れてないとおかしいタイミングなので、やはりこのままか？
しかし何もできることはないので、ただただ次の診察を待つのみである。
今日も、快便だ。 マグネシウムのおかげで、練り便、そのせいか、トイレに入って２，３分ですぐ出せるのでほんと楽である。 こんなにあっさり出るなら、もう痔になることはないだろう。しかしマグネシウムを止めれば、おそらく元に戻るのだろう。 もう永遠に飲み続けたいかもしれない。
今はもう、普通に外出もしてるし、生活としては通常に戻ってる。 運動だけは３週間と言われてるので控えてる、風呂はもう入って良い時期だが、まだ肛門パッドに汚れがつくので入ってない。
「すっかり日常が戻ってきたなぁ」
僕はそう呟きながら、これまでの苦しい日々を思い起こしていた。
「たまに、チクッとするな」
僕の肛門が時々、僕を忘れないでくれっ！と叫んでるかなようだ。
術後の症状も、わずかにたまにある痛みのみ。 数キロ歩くのも全然もんだいない。
肛門パッドはまだ汚れはある。 徐々に毎日減っている。完全にいらなくなるのは傷が塞がってからだろうから、痛みがなくなるのと同じくらいか？
あと、１ヶ月くらいではと想像するがどうだろう？
毎日、食後の薬は４種類飲んでいる。これは術後２１日目まで出ているが、状況に応じてなので、もう必要ないかも知れない。 しかし、傷がまだあり、肛門も細いような状況て、マグネシウムを減らすのは勇気がいる。 もう少しこのまま、様子をみようと思う。
２週間経てば風呂は解禁、３週間で運動も解禁だが、毎日なんとなく、それぞれ１週間は勝手に延長したい気分ではある。
さて、今日は肛門パッドが切れたので、買いに行こうっと。
16:00
「なんか、塊が落ちたぞ」
便器の中に、それは消えていった。 今日は少しだか血も流れて、一瞬だかチクっともした。 その時、僕は、ひょっとして肛門のイボみたいなので取れたのでは？ と一瞬おもったが、いやいや、あいつは存在感があり、そんなすぐにいなくなるようや雰囲気では無かったと思い直し、肛門に、手を差し伸べた。
「無い！ 無い！ 無いぞ！」
きれいに無くなってある！ イボは感覚では5mmくらいはあって肛門横にデンっと居座ってた。 千切れてる気配も無かったが、結紮術だと、糸で縛った後、それが取れるタイミングで無くなるという話だったが、僕もそれに該当したんだ。
先生からは結紮とは聞いたが、それがどんな過程を辿るのかはあまり聞いてなかったので、心配だったが、いなくなってくれてほっとした。
今日ほ、また次のステージに進んだようだ。
ここに来て、手術はやはりして良かったと思えるようなってきた。
最近は、快便ではあるが、やはり肛門は少し狭くなってる感じがある。 しかし、これは肛門の柔軟性も含めて、数ヶ月もすれば改善するといったネット情報もあるのて期待したい。
まあ、改善がなくても、多少狭くなっても、問題ないレベルっぽいので、またリスクを犯して狭窄改善手術をするかと言えば、しないだろう。
また、術後の、地獄の苦しみや、肛門が閉まらなくなったりの副作用があったら、それこそ怖い。
取り敢えず、今飲んでるマグネシウムが切れた時が、最後のチェックポイントだろう。
21:00
「えっ、なんだこれは？ まだいるやん」
その手に伝わる感触が、僕を落胆させた。 夕方にいなくなったとおもった、あやつがそこにいたのだ。 なぜだ？ 確かにいなくなった気がしたのだが、僕の勘違いだったのだろうか？
こいつは一生の付き合いになるのだろうか？ そろそろ受け入れなければならないのかも知れない。
08:15
「ふう、今日も快便だ。」
昨晩は一瞬目覚めたがすぐ再び眠りに落ち、気付けば朝だった。そしていつも通り出勤し今に至る。
毎日、快便でほんと気持ちが良い。今までは週5回くらいの感じで、時間もそれほど安定していなかったが、最近は毎日、朝に必ず便通がある。 しかも、大を出そうとすると、スルスルとすぐに出せる。
これは痔の手術とは関係ないと思うのだが、マグネシウムの効果なのか？ 便が細くなったので、出しやすいようにオリーブオイルを寝る前に、少し飲んでる効果なのか？
いずれにせよ、この時点では、術前より快調であることはたしかだ。
術部の痛みも、また毎日、少しづつだが改善している。しかしまだ、肛門パッドがないとパンツは汚してしまうだろう。 あと数週間は必要ではないだろうか？
01:00
今日も平穏な１日だった。 僕は、僕の痔が完治する希望を抱きながら、安らかに眠りについた。
07:00
僕は、肛門に追い立てられるかのように、足早に駅に向かっている。
世間から見える、その姿は、何か違和感を感じさせるのだろうか？
昨晩も夜中に起きることもなく快眠だった。そして起きて直後の肛門痛、便意もなく、平常時の僕と同じだ。 しかし不安は一つある。最近は寝る前に、マグネシウムを一つ飲んでいた、これを止めたので、少し便が硬くなってるのかも知れない。 そして、それは、僕の肛門を通過できるのだろうか？ その答えは２時間以内にでるだろう。
そういえば、今日は階段を降りる時に、喜びがあった。 慎重にだが、普通の速度で降りてもら肛門キュッが無かった。 また一歩次のステージに進んだと思う。
08:50
便意を感じトイレに行く。 昨晩マグネシウムを減らしたので緊張の瞬間だ。 しかしするすると出す事に成功、昨日よりも少し形がある便に変わった。形があるせいで、昨日よりも確実に太い。 安堵感が僕を覆い尽くしている。
20:30
今日は、本当に調子が良い。 これまでは、日中に少しお腹がゴロゴロ的な要素があったが、それも無い。 １日１回の快便なら最高だ。 もう今日は大丈夫だろう。
あと気になる点は、肛門近くにイボのような丸い物があることだ。 これはなんだろうか？ 触らなけれな存在は分からないが、触ったらあるので、出来れば無くなって欲しい。 自然と消えるのだろうか？
術部の痛みは、ほとんどない。しかし一歩、歩くとほんの少しの痛みがあり、歩き続けると、それが積み重なっていくので、無理は禁物という感じだ。
06:30
